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けんたろう日記
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新バスシステムに関する住民投票条例について

2016年03月18日

新バスシステムに関する住民投票条例について、たくさんのお手紙やメールをいただきましたので、審議に参加した市議として、説明責任を果たすべく、ここに自身の考えを述べさせていただきます。

私は公共交通の見直しに賛成です。そして、この度の新バスシステム導入についても、プロセスには異議がありまずが(後述します)基本的には賛成です。

理由は単純です。現在新潟市が新潟交通株式会社に交付している補助金等の合計は3億円を超えています。今後、人口が減少することは確実で、更に高齢化率は4割近くに達することが見込まれていることを踏まえれば、税収には限りがあり、そして、バス利用者も減ることが確実です。
そうなれば、ある程度のバスの利便性を確保するために、補助金の額が上昇し、それが財政を圧迫するのは自明の理です。

今後、新潟市が健全な財政を維持して、将来世代に過度の負担を残さないためには、現世代で我慢すべきところは我慢しなければなりません。

私たちは、勘違いしてはいけません。現代は、人口右肩上がり、経済右肩上がりの夢の時代ではないことを。

私もバスに乗ります。確かに不便になりました。でも、私は、新潟交通株式会社への補助金を節約して、現在週3日しか利用できない障がい児の放課後の移動支援を週5日にすべきだと考えます。また、きょうだいが別々の保育園に通うような状況を解消させるために、保育環境の充実に税金を使うべきだと考えます。また、障がいのある人のお父さんお母さんが亡くなっても安心して暮らせる仕組みづくりも急務です。そして、夢のある新潟市を創るために、積極的な投資の余力を残しておくべきだとも思います。

今回の一連のバスの問題。一番の不幸は、市民の皆さんに「BRTが新潟市の一番大きな問題だ」などという誤解を与えてしまったことです。これは紛れもなく、市長、そして我々議会の責任であります。

前述の通り、今回の新バスシステム導入、プロセスには大いなる疑念があります。

ひとつ目は、たとえ正しいことでも、市民の皆さんにとって、「急激な変化こそが最大の負担」だということを無視してしまったことです。「りゅうとカードを使えば便利」、「利用者数が少ないから減便は当たり前」。すべて机上の空論です。そこには、お年寄りがりゅうとカードを買い、そして利用しているイメージ、想像力が欠如しています。

次に、みんな、色々なことを踏まえて住まう場所を決めます。その中には、交通の便も含まれていたはずです。それを、突然、ちゃぶ台をひっくり返すように急激に変化させてしまった。これも最大のミスのひとつです。

そして、一番のエラーは、市長が「BRTで良くなる」と言ったことです。どうして、新潟交通株式会社の社長とともに、「乗り換えやりゅうとカードの利用など、不便はかけるけれども、将来の新潟市のために我慢してほしい」と頭を下げてお願いできなかったのでしょうか。

今回のバスの問題。人口減少社会、そして超高齢社会における摩擦のはじまりでしかありません。
それはなぜか。先ほども述べたとおり、現代は、人口右肩上がり、経済右肩上がりの夢の時代ではないからです。
これからの時代、夢を語るためには、身の丈に合った、そして地に足のついた工夫と我慢が必要です。

私は市民の皆さんの代弁者です。しかし、同時に、今の子どもたち、そして、これから生まれてくる子どもたちの代弁者でもあります。

今後継続して開催する市政報告会などの機会を捉えて、皆さんのご意見を丁寧にお聞きしながら、自身のポリシーに基づき、発言し、行動してまいります。

新潟市議会議員 伊藤健太郎



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